講演者:

  • Roger Rowell - University of Wisconsin

    ウィスコンシン大学 農業生命科学部 名誉教授(アメリカ)

    ロジャー・ラウェル教授は、2007年に引退するまで41年間、ウィスコンシン州マディソン市にある農務省森林局林産物研究所のシニア技術研究員の職にあり、そのうち30年間は、ウィスコンシン大学生物システム工学科の教授も務め、現在、同大学の名誉教授として、米国および海外の大学院生のアドバイザーをしている。今までに、日本での客員研究員をはじめ、中国、ニュージーランド、オーストラリア、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、インドネシア、シンガポール、マレーシア、ポーランド、ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、エジプト、台湾、韓国、ベトナム、ルーマニア、ポルトガル、トルコ、エストニア、そしてラトビアで、客員教授として招かれている。また彼は、米国、南アフリカ、オランダ、英国の企業のコンサルタントを務め、6年間、インドの国連開発計画のためのミッションリーダーを務めた。彼は、アメリカ化学会、シグマXi(名誉研究会)、国際木材学アカデミーのメンバーである。彼は350以上の論文、12冊の著作、26の特許を持つ。彼は、52年間、親友と結婚しており、3人の息子、7人の孫と2曾孫がいる。

    アセチル化木材と、その性能:

    木材は、人類が歩き出した時から使われている。そして人類は非常に早い段階で、木材が何処でも手に入り、再生可能で持続可能なものであること学び、燃料、住まい、武器、さまざまな道具や装飾のために木材を使用してきた。歴史の大部分では、木材は、そのまま使用されてきた。私たちは、含水率の変化による寸法変化、多種多様の生物による腐蝕、燃焼、紫外線による劣化を受け入れながら木材を利用することを学び、木材は、主に、大量消費、低価値、低価格の市場商品であった。平均的な人は、寸法の不安定性や様々な生物による劣化から、木材を決して高機能材料として考えていない。木材のアセチル化は、高い寸法安定性と優れた耐朽性の両方が、この簡単な化学反応によって達成されることが出来ることを示している。木材のアセチル化は、1930年代に初めて行われ、数多くの研究者が、この技術を研究し、また、この技術を商業化するための多くの試みがなされてきた。日本の多くの主要な開発を含むこれらの研究、アセチル化木材の特性および性能だけでなく、実用化への道の歴史を解説する。
  • Mark Hubbert - Teknos (UK) Limited

    テクノス社 ビジネス開発マネージャー

    マーク•ハバート氏の経歴は、30年以上前、木工業界での仕事に始まり、大工建具分野でのギルド資格を持ち、歴史あるオックスフォードにある数々の世界有数の大学での仕事から多くを学ぶことから始まった。1994年、フィンランドの塗料メーカーの英国子会社Teknos (UK) Limitedに入社。おもに、木材工業市場製品を担当し、8年以上にわたり英国事業のテクニカル・ディレクターを歴任。現在、Teknosグループの木材工業市場のビジネス開発マネージャーを務める。Teknosは、1948年に設立され、木材、金属および建築の分野で、コーティング•ソリューションを、世界各地で提供し、現在、フィンランド最大のプライベートカンパニーの一つである。

    アコヤ:その塗装システムおよび性能と美観への影響

    世界の木材資源が、益々厳格に管理されるに従い、木材の改良技術の開発はペースを早めています。木材の美的外観を変更するため、あるいは最終用途での性能を改善するために、塗装は何世紀も使用されています。しかし、この30年間で、コーティング技術は変化し、伝統的な溶剤系の塗料から徐々に距離を置いて来ました。より環境に優しいコーティングシステムへの要望は、使用期間を通して柔軟性を保つよう設計された高性能水性塗料の開発をもたらしています。今、アコヤは、コーティングに、新しい次元をもたらします。その最終用途に適したコーティングシステム、様々な気候での実際の性能、ライフサイクルを通じてのメンテナンスおよび性能設計基準について解説します。
  • Simon Aicher - University of Stuttgart

    シュツットガルト大学 材料試験研究所 教授(ドイツ)

    1953ローゼンハイム、ドイツ、生れ
    1973 - 1979ハンブルグ大学、木材学
    1976 - 1977ミュンヘン工科大学、土木学
    1979修士号(木材学)ハンブルク大学、ドイツ
    1979 - 1980研修生、メッサーシュミット社(構造力学)
    1980 - 1987研究員、ハンブルグ連邦研究センター木材物理工学研究所
    1984博士号(Dr. rer.nat.)
    1988 - 1989コンサルティングエンジニア
    1989 - 1994研究員、シュツットガルト大学オットー•グラーフインスティテュート
    材料試験研究所(FMPA )
    1994 - 2005副部長、シュツットガルト大学オットー•グラーフインスティテュート
    「木材、木造建築、木材製品"部門
    2005 - 学科長、シュツットガルト大学材料試験所(MPA)木構造学科
    2010 - チーフアカデミックディレクター、
    シュツットガルト大学材料試験所(MPA)木構造科
  • Frank Miebach - Schaffitzel+Miebach GmbH

    シャフィッツェル+ミーバッハ社 代表取締役 (ドイツ)

    1973Neunkirchen/Seelscheid(ドイツ)にて生まれる
    1996 - 2000ローゼンハイム大学にて、土木工学(木橋梁)を学ぶ
    1998Maeder構造設計事務所勤務、スイスCH-Biet/Bienne
    2000工学士(FH)、ローゼンハイム大学
    学位論文:木橋の静的構造力学
    2000 - 2005木橋プロジェクトマネージャー、Schaffitzel Holzindustrie GmbH
    2005Ingenieurbüro Miebach構造設計事務所設立
    木橋梁設計を主な業務とする
    2009 - 現在代表取締役、Schaffitzel + Miebach GmbH
    理事、ドイツ木橋梁品質協会Qualitatsgemeinschaft Holzbrukenbau e.V. - QHB

    アコヤと木橋梁:
    アコヤを使用したスネークブリッジの独創的デザイン - フィールドレポート

    木橋梁には特に。使用される材料に最も条件が課せられる。その木造構造は、強靭で効果的で長持ちしなければならない。耐久性のある解決策の最も一般的な方法は、構造をカバーし風雨から守ることです。今、アコヤは、新たな可能性を提供し、木構造の新しい建築手法を展開します。スネーク市に架けられた二つの木橋梁から見られるアコヤ集成材の可能性をフィールドレポートします。

    トピック:
    - 木橋梁建設の妥当性
    - 集成材による木構造
    - 有害な化学物質の含浸処理に代る木材保護手段:アコヤの優位性
    - 二つのスネークブリッジの設計と彎曲した形の集成材の製造のチャレンジ
    - アコヤ:将来の可能性
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    Ronald Koster and Adrianus Kil - RO&AD Architecten

    RO&AD建築設計事務所

    1991年に、それぞれ自分の建築設計事務所を設立した後、2004年、彼らの共同事務所を開設した。彼らは、すぐに、持続可能性と楽しさが彼らのコラボレーションのための主要なテーマであると判断した。このコラボレーションは、インテリアデザインから景観デザインのプロジェクトと広範囲に展開している。オランダの「モーゼの橋」の設計により、彼らは国際的に注目を集め、数々の国内および国際的な賞を受賞しています。

    RO&ADの哲学:

    RO&ADのデザインは、ゆたかさを最大限にすることに尽きる。様々なゆたかさを奪ってはいけない。デザインは、生活を、命を、出来るだけ、たっぷりと、大きく、泥まみれにすること。それを実現すれば、世界を、もっと、美しく、もっと、サステイナブルに、そして、もっと、楽しく、Funにすることが出来るんだ!
  • Andrew Lawrence - Arup

    アラップ社 アソシエイト・ディレクター (イギリス)

    アラップ社のアソシエイト・ディレクターで構造土木設計士のアンドリュー・ローレンス氏は、木材および木構造のスペシャリストで、BSI英国規格協会の木構造規格委員会のメンバーおよびUK Wood Awardsの審査員としても活躍している。ローレンス氏が担当したプロジェクトには、フランスのCentre Pompidou-Metz、ロンドンのTimber Wave、スペイン・セルヴビアのMetropol Rarasol、また最も最近のプロジェクトとしてロンドンのEndless Stairがある。鉄やコンクリートとともに、木材が建造物の材料として広く使われることを啓蒙することに従事している。
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